はじめに:面接辞退は珍しくない!まずは安心しよう
就職活動をしていると、「ご縁がなかったな」「他に志望度が高い企業が出てきたな」と思うこと、ありますよね。実は、こうした気持ちの変化はごく自然なこと。選考を受けている企業がいくつもある中で、「やっぱり辞退しようかな…」と感じることは、誰にでも起こり得るものです。
でもいざ辞退しようとすると、「印象が悪くなるんじゃないか」「失礼にならないだろうか」と不安になる方も多いはず。特に新卒という立場だと、まだビジネスマナーに自信が持てなかったり、正解がわからなくてモヤモヤしてしまいますよね。
安心してください。企業も日々たくさんの応募者とやり取りをしているため、「辞退される」という経験には慣れています。もちろん、丁寧で誠実な対応を心がけることは大切ですが、必要以上に怖がることはありません。
このコラムでは、面接を辞退する際の適切なメールの書き方やマナー、注意点などをわかりやすくご紹介していきます。堅苦しいルールばかりにとらわれず、「就活生としての誠意」が伝わるやり取りを一緒に考えていきましょう。
「辞退って、悪いことなのかな?」と感じていた不安が、読み終わるころにはきっと軽くなっているはずです。あなたの就活が、より前向きなものになりますように。
面接辞退は悪いこと?新卒でも問題ない理由
「面接を辞退するなんて、失礼じゃないのかな…」
「新卒でそんなことをしたら、社会人としてのマナーを疑われるかも…」
就活生の中には、そんな風に心配する方がとても多いです。でも結論から言うと、面接を辞退すること自体はまったく問題ありません。むしろ、誠実に対応すれば、企業からの印象が悪くなることもありません。
■ 企業側も辞退は想定済み
企業は、複数の候補者と同時進行で選考を進めています。つまり、面接の辞退や途中離脱は「あるある」の範疇。選考が進めば進むほど、学生側の志望度が変わることも企業は理解しています。
特に新卒採用は「お互いにマッチするかどうかを見極めるプロセス」。学生が「自分には合わないかも」と感じて辞退することも、企業にとっては自然な流れの一部なんです。
■ 無断キャンセルはNG。でも「辞退」は礼儀正しい選択肢
辞退と聞くと、どこか「逃げ」や「後ろめたさ」を感じる人もいるかもしれません。でも、辞退をきちんと伝えることは、むしろ責任ある行動です。
本当に印象を悪くしてしまうのは、何の連絡もなく面接をすっぽかしてしまうこと。企業側は面接官のスケジュールを調整して、あなたとの時間を確保してくれています。その時間を無駄にしないためにも、「辞退したい」という意思は、できるだけ早く、丁寧に伝えることが大切です。
■ 学生だって選ぶ側。あなたにも選ぶ権利がある
「企業に選ばれる立場だから、何も言えない…」と感じていませんか? たしかに、選考という場では「企業から評価される」側面が強くなりがちです。でも、就活は一方通行ではありません。あなたが企業を選ぶ権利も、同じようにあるんです。
むしろ、「なんとなく続けているけど、本当はそこまで志望していない企業」を惰性で受け続ける方が、時間も気力ももったいないですよね。
辞退することで、より本気で目指したい企業への準備に集中できますし、結果的に納得のいく就活につながります。
「辞退って悪いことじゃないんだ」
そう感じられたら、きっと気持ちも少し軽くなったのではないでしょうか。次は、実際にメールで辞退しても問題ないのか? その判断基準について見ていきましょう。
メールで面接辞退はOK?電話との違いと判断基準
「辞退の連絡って、やっぱり電話のほうがいいのかな?」
「でも、急に電話しても迷惑かも…メールで失礼にならない?」
面接辞退を伝えるとき、多くの就活生が最初に迷うのが「メール or 電話」問題。
結論からお伝えすると、メールでの辞退連絡は基本的にOKです。ただし、状況によっては電話のほうが望ましいケースもあります。
ここでは、どちらを選べばよいか迷ったときの判断軸を整理してみましょう。
■ 基本はメールでOK。ビジネスでも一般的な連絡手段
最近の新卒採用では、企業側もメールでのやり取りに慣れており、面接辞退もメールで連絡するのがスタンダードになりつつあります。
特に、**面接日まで余裕がある場合(2日以上前など)**は、メールで丁寧にお詫びと辞退の意思を伝えればまったく問題ありません。
また、電話だと緊張してうまく話せない…という方も多いはず。メールなら、落ち着いて言葉を選び、誤解のないように伝えることができます。
■ 電話が望ましいケースとは?
一方で、以下のようなケースでは電話の方が望ましいとされています:
- 面接の前日や当日に辞退する場合
- 企業側から「電話で連絡してください」と指定がある場合
- 既に複数回の選考を経て、かなり進んだ段階での辞退
- 担当者と直接のやり取りが多く、関係性が築かれている場合
こうしたケースでは、「なるべく早く、直接伝える」ことが誠意ある対応となります。
もちろん、電話をかけるのは緊張するかもしれませんが、企業側も冷たく対応することはありません。きちんとお詫びと感謝の気持ちを伝えれば、むしろ誠実な印象を持ってもらえるはずです。
■ 迷ったら「メール+電話」の併用もアリ
判断に迷ったときは、まずメールで辞退の意思を伝え、その後に確認の電話を入れるという方法もあります。
たとえば、「本日中の面接を辞退したい」といった急ぎの場合は、
「まずはメールでご連絡差し上げます。あらためてお電話いたします。」
というスタンスで伝えるとスムーズです。
メールと電話の両方を使うことで、相手の負担を軽減しつつ、誠意もしっかり伝わります。
要するに、どちらの手段でも「きちんと連絡する」「相手の立場を考える」ことが大切。メールでも電話でも、心のこもった対応ができれば、それで十分です。
次章では、そのメールの書き方やマナーについて、基本から丁寧に解説していきますね。
面接辞退メールの基本構成とマナー
「いざメールを書こうと思ったら、手が止まってしまった…」
「何から書き始めればいいのかわからない…」
そんな経験、ありませんか?
ビジネスメールを書くのが初めて、という就活生も多いはず。特に面接辞退という繊細な内容だと、余計に緊張しますよね。
でも大丈夫。
ここでは、面接辞退メールの基本的な流れと気をつけたいマナーを、やさしく解説していきます。
■ 面接辞退メールの基本構成
辞退メールには、以下の5つの要素が入っていれば大丈夫です。
- 件名
- 宛名(会社名・担当者名)
- 本文のあいさつ・自己紹介
- 辞退の理由とお詫び
- 感謝の言葉・締めのあいさつ
それぞれ、もう少し詳しく見てみましょう。
1. 件名
件名は、シンプルかつ用件が伝わる内容にします。たとえば:
【面接辞退のご連絡】◯◯大学 ◯◯(氏名)
これだけで、相手がメールを開く前から内容が伝わりやすくなります。
2. 宛名(会社名・担当者名)
最初に、正式な会社名と、わかれば担当者の名前を記載します。
株式会社〇〇
人事部 採用ご担当者様
「◯◯様」ではなく、「◯◯ご担当者様」とすることで丁寧な印象に。
3. あいさつ・自己紹介
初対面でなくても、念のため自分の名前と大学名を名乗りましょう。
お世話になっております。◯◯大学◯◯学部の◯◯と申します。
4. 辞退の理由とお詫
理由は詳しく書きすぎなくても大丈夫。簡潔にしておくのが基本です。
このたび、自己都合により貴社の面接を辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。
お忙しい中、面接の機会をいただきましたのに、大変申し訳ございません。
5. 感謝の言葉・締めのあいさつ
最後に、選考への感謝をしっかりと伝えて締めましょう。
貴社のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。
何卒よろしくお願いいたします。
■ 気をつけたいマナーのポイント
- なるべく早めに連絡すること
遅くなるほど、相手に負担がかかってしまいます。辞退を決めたら、その日のうちに連絡するのがベストです。 - 文中で否定的な言葉は避ける
「御社には魅力を感じませんでした」など、理由を正直に書きすぎるのは逆効果。相手の気持ちにも配慮しましょう。 - メール送信後の確認も忘れずに
誤字脱字、宛名の間違いがないか、送る前に必ず見直しましょう。
辞退メールは、形式さえ押さえれば難しくありません。
次は、実際に使える状況別のテンプレートをご紹介していきますね
【文例付き】状況別・面接辞退メールテンプレート集
「どう書けば失礼にならないんだろう…」
そんな不安を感じている方のために、ここでは実際にそのまま使えるメールテンプレートを、状況別にご紹介します。
シンプルなものから、少し丁寧めな文面まで。ご自身のケースに合ったものをぜひ参考にしてみてくださいね。
■ 基本パターン(1〜2日前に辞退する場合)
件名:【面接辞退のご連絡】◯◯大学 ◯◯
本文:
株式会社◯◯
人事部 採用ご担当者様お世話になっております。◯◯大学◯◯学部の◯◯と申します。
このたびは、面接のご案内をいただき誠にありがとうございました。
誠に勝手ながら、自己都合により貴社の選考を辞退させていただきたく、ご連絡差し上げました。
お忙しい中ご対応いただいたにもかかわらず、誠に申し訳ございません。
貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます。
何卒よろしくお願いいたします。
◯◯大学 ◯◯学部 ◯◯ ◯◯
メールアドレス:xxxx@xxx.xx
電話番号:090-xxxx-xxxx
■ 当日に辞退する場合(お詫びを厚めに)
件名:【本日面接の辞退について】◯◯大学 ◯◯
本文:
株式会社◯◯
人事部 採用ご担当者様お世話になっております。◯◯大学◯◯学部の◯◯と申します。
大変恐れ入りますが、本日予定しておりました面接につきまして、体調不良(または一身上の都合)により辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。
当日のご連絡となり、貴社にご迷惑をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます。
このたびは貴重なお時間を割いていただき、誠にありがとうございました。
今後の貴社のご発展を心よりお祈り申し上げます。
何卒よろしくお願いいたします。
※「体調不良」や「一身上の都合」など、個別の理由はあいまいな表現でOKです。無理に詳しく書く必要はありません。
■ 選考が進んだ段階での辞退(丁寧さを重視)
件名:【選考辞退のご連絡】◯◯大学 ◯◯
本文:
株式会社◯◯
採用担当 ◯◯様平素より大変お世話になっております。◯◯大学◯◯学部の◯◯と申します。
このたびは、貴重なお時間を割いて選考の機会をいただき、誠にありがとうございました。
大変恐縮ではございますが、今後の選考を辞退させていただきたくご連絡差し上げました。
貴社に深い関心を持っておりましたが、熟慮の結果、他の企業に進むことを決意いたしました。
誠に勝手なお願いではございますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
今後の貴社のさらなるご発展と皆様のご活躍を、心よりお祈り申し上げます。
■ オンライン面接を辞退する場合(前日〜当日
件名:【オンライン面接辞退のご連絡】◯◯大学 ◯◯
本文:
株式会社◯◯
採用ご担当者様お世話になっております。◯◯大学の◯◯と申します。
明日予定しておりましたオンライン面接につきまして、誠に申し訳ございませんが、辞退させていただきたくご連絡いたしました。
お忙しい中スケジュールを調整していただいたにも関わらず、このような結果となり重ねてお詫び申し上げます。
短い間ではありましたが、選考の機会をいただけましたこと、心より感謝申し上げます。
貴社の今後のご活躍をお祈りいたします。
■ よくあるメール文面のNG例
避けたいフレーズや表現もあります。以下のような内容は注意が必要です:
- ❌「別の企業から内定が出たので、辞退します」
→ 正直すぎると相手に悪印象を与える場合も。 - ❌「面接はちょっと行くのが面倒で…」
→ カジュアルすぎる言葉遣いはNG! - ❌「選考に進むつもりはありませんでした」
→ 最初から興味がなかったと受け取られてしまいます。
面接辞退メールを送るタイミングとNG行動
面接を辞退すると決めたら、次に悩むのが「いつ、どのタイミングで連絡すればいいの?」ということ。
ここでタイミングを誤ってしまうと、せっかく丁寧な文面でも相手に不快な印象を与えてしまう可能性があります。
この章では、ベストな連絡タイミングと、避けるべきNG行動について詳しく解説していきます。
■ 辞退の連絡は「気づいたその日中」が理想
辞退の判断をしたら、できるだけ早く連絡を入れるのがマナーです。
面接の前日や当日になってから連絡をすると、企業側に迷惑がかかるだけでなく、「連絡を後回しにする人」という印象を与えてしまうことも。
たとえばこんなイメージです:
面接予定日 | 辞退連絡の理想的なタイミング |
---|---|
木曜日 14:00 | 月曜〜火曜中に連絡すると◎ |
辞退を早めに伝えることで、企業側もスケジュールを調整しやすくなりますし、他の候補者との面接にも影響が出にくくなります。
■ 「朝の時間帯」に送るのがベスト
送信する時間帯も意外と重要なポイント。
辞退メールは、朝9時~10時ごろに送るのがもっとも好ましいとされています。
この時間帯なら、相手が始業してすぐに確認できますし、当日中の対応もしやすくなります。
逆に、夜遅くや深夜の送信は避けましょう。
メールが埋もれてしまったり、ビジネスマナーとして不適切に見える場合があります。
■ 辞退の連絡が遅くなるとどうなる?
もし辞退の連絡が当日になってしまった場合は、メール+電話のダブル連絡が誠意ある対応です。
たとえば…
・当日朝にメールを送信
・すぐに電話で「先ほどメールをお送りしましたが、本日辞退させていただきます」と伝える
これにより、メールだけよりも印象がずっと良くなります。
遅れてしまった場合ほど、しっかりとしたフォローが重要です。
■ 面接辞退でのNG行動リスト
ここで、よくあるNG行動をいくつかご紹介します。
❌ 無断で欠席する
一番やってはいけないのが「連絡なしでのドタキャン」です。
就活中の情報は採用担当者間で共有されることもあるので、マナー違反は思わぬところで不利に働くことも。
❌ SNSでの投稿
「辞退した〜」「あの企業もう行かん」などの投稿は控えましょう。
企業名が特定されるような投稿は、思わぬトラブルの原因にもなります。
❌ 連絡を引き延ばして様子見
「保険でとりあえず面接予約だけしておく」…そのまま放置、なんてことはありませんか?
辞退する意思があるなら、早めに決断して連絡を入れましょう。
実際に送る前のチェックポイント
メールを作成し終わったあと、「このまま送って大丈夫かな?」と不安になることってありますよね。
せっかく丁寧に書いたメールも、ちょっとしたミスがあるだけで印象が下がってしまうこともあります。
この章では、辞退メールを送る前に確認しておきたいチェックポイントを、わかりやすくまとめました。送信前の“ひと呼吸”、これがあなたの誠実さをさらに引き立ててくれます。
✅ 1. 宛先(To)の相手は正しい?
まず一番大切なのは、「誰に送っているか」。
To欄には、企業の採用担当者や人事部の代表アドレスなど、正しい宛先が入っているか確認しましょう。
間違えて別の企業に送ってしまったり、複数の企業に同時送信したりするのは、絶対に避けたいミスです。
✅ 2. 件名は明確になっている?
件名には「面接辞退のご連絡」など、内容が一目で分かる言葉を入れるのがマナー。
メールボックスに並んだとき、すぐに内容が把握できると、相手にも親切です。
✅ 3. 自分の名前と大学名は名乗った?
意外と見落としがちなのが、自己紹介の抜け。
企業は毎日たくさんの応募者とやり取りしているので、「◯◯大学の◯◯です」と名乗ることで、相手がすぐに誰かを認識しやすくなります。
✅ 4. 誤字脱字はない?
どんなに丁寧な文面でも、**誤字脱字があると「雑な印象」**を与えてしまいます。
特に会社名や担当者の名前の表記ミスは要注意!
送信前には、声に出して読んでみると、意外なところに気づけたりしますよ。
✅ 5. 理由の書き方に配慮できている?
「御社にあまり魅力を感じなかった」など、ネガティブな理由や批判的な表現は避けるようにしましょう。
辞退理由は「一身上の都合」や「自己都合」でOK。
あくまで、相手への配慮を忘れずに。
✅ 6. 返信が必要かどうか明確にしている?
辞退のメールには基本的に返信は不要ですが、万が一再確認が必要な場合や、電話連絡も予定している場合は、その旨を添えておくと丁寧です。
例:「本メールにて失礼いたしますが、必要であればご連絡いただけますと幸いです。」
✅ 7. 送信時間にも気を配ろう
送信時間もマナーのひとつ。
前の章でも触れたように、朝9時〜10時ごろに送るのが理想です。
深夜や早朝の送信は避けましょう。
メールを送ったあとの対応とよくあるQ&A
メールを送って「やっと終わった…!」と思ったものの、そのあとにふと湧いてくる疑問や不安ってありますよね。
「返事が来ないけど、大丈夫?」
「辞退した企業に今後応募してもいいの?」
この章では、面接辞退後に気になるポイントや、よくあるQ&Aをまとめてご紹介します。
■ メールを送ったら、基本的に返信は不要でOK
面接辞退のメールに対して、企業から返信がないことは珍しくありません。
「返信が来ないけど、届いてるのかな…?」と心配になるかもしれませんが、そもそも辞退メールは返信を前提とした連絡ではないため、返事がなくても問題ありません。
ただし、「念のため確認しておきたい」「どうしても心配…」という場合は、1営業日以上経っても返信がなければ、電話での確認もOKです。
■ 返信が来た場合は、簡潔にお礼を返すと丁寧
まれに、「承知しました」などの返信をもらうことがあります。その際には、以下のように一言お礼の返信を返すと、より印象が良くなります。
お忙しい中、ご返信をいただきありがとうございます。
ご対応に感謝申し上げます。今後の貴社のご発展を心よりお祈り申し上げます。
このように**「返事はいらないけれど、来たら返す」**という姿勢がベストです。
■ 面接辞退後に再応募しても大丈夫?
「辞退してしまったけど、やっぱりその企業が気になる…」
そんなふうに心が変わることも、就活ではよくあります。
原則として、面接辞退=完全な縁切りではありません。企業によっては、再応募を受け付けてくれるケースもあります。
ただし、次のようなポイントには注意しましょう:
- 辞退の際に無断キャンセルや失礼な態度があった場合は、再応募が難しくなる可能性あり
- 同じ年度内(特に短期間)での再応募は、企業によって制限がある場合も
- 再応募を希望する場合は、志望理由や気持ちの変化をしっかり説明できる準備を
■ 辞退したことが、他の選考に影響することはある?
「辞退したことって、他の企業に知られたりするの?」
これは多くの学生が不安に感じるところですが、基本的に企業同士が選考状況を共有することはありません。
ただし、就活支援サービスや新卒エージェント経由で選考を受けていた場合は、一定の情報が共有される可能性もゼロではありません。
とはいえ、一社辞退したからといって、ほかの企業の評価が下がるようなことはまずありませんので、過度に気にしなくて大丈夫です。
■ 辞退後も「人としてのつながり」は残る
企業の人事担当者も、ひとりの社会人。
あなたが丁寧な対応をすれば、たとえ辞退という結果になっても、「感じの良い学生だったな」と記憶に残ることは十分あります。
就職活動が終わったあとに、まわり回ってその企業とまた関わることになる…という可能性もゼロではありません。
だからこそ、辞退という場面でも最後まで誠実に向き合うことが、自分を守ることにもつながるんです。
【体験談】実際に面接辞退した学生の声
ここからは、実際に面接を辞退した就活生のリアルな声をご紹介します。
「みんなどんな風に辞退してるの?」「その後、何か問題はなかった?」と不安な方にとって、ちょっとした安心材料になれば幸いです。
■ ケース①:「メールで辞退したら、丁寧な返信をもらえた」
(私立大学・文系/20代前半・女性)
志望度が下がってしまった企業があって、でも面接日も決まっていたのでずっと悩んでました。
結局、2日前に辞退メールを送りました。すごく緊張しながら送信したのですが、数時間後に「ご丁寧なご連絡ありがとうございます。今後のご活躍をお祈りしています」と返信が来て、心からホッとしました。
「怒られるかも」って思ってた自分が恥ずかしかったです。
■ ケース②:「電話連絡は緊張したけど、むしろ好印象だった
(国立大学・理系/20代前半・男性)
面接前日だったので、メールだけじゃ失礼かなと思い、勇気を出して電話しました。
最初はガチガチに緊張して、「申し訳ありません…」しか言えなかったけど、採用担当の方が「ご連絡ありがとうございます。気をつけて頑張ってくださいね」と優しく対応してくださって、救われました。
正直、もっと怖い対応をされるかと思ってました(笑)。
■ ケース③:「辞退した企業に再エントリーしたこともある」
(私立大学・文系/20代女性)
一度は辞退した企業だったんですけど、他社の選考を通じて「やっぱりあの会社が気になる」と思って、思い切って再度エントリーしました。
以前丁寧に辞退メールを送っていたのがよかったのか、選考には普通に通してもらえました。
結局その企業には入社しなかったけど、「印象を残すって大事なんだな」と思った経験です。
■ ケース④:「最初から正直に辞退しておけばよかった」
(地方大学・理系/20代男性)
志望度が低い企業の面接を「とりあえず受けるか…」と放置していて、辞退連絡がギリギリになってしまったんです。
結局、当日朝にメールと電話の両方で謝ったんですが、先方に少し不快そうなトーンで対応されてしまって…。
今でもちょっと後悔しています。早めに判断して、ちゃんと伝えるのが一番ですね。
こうした体験談からも分かるように、面接の辞退は「誠実に対応すれば大丈夫」なんです。
怖がるよりも、「自分の気持ちと向き合って、正しく伝える」。その積み重ねが、就活そのものをより前向きなものにしてくれます。
まとめ:誠実な対応が印象を決める
就職活動の中で「面接を辞退する」という選択は、決してネガティブなものではありません。
進路に悩んだり、自分の志望が変わったりするのは、むしろ自然で正直なことです。
大切なのは、その気持ちの変化に気づいたときにどう向き合うか、どう伝えるかということ。
このコラムでは、辞退のマナーや文例、連絡のタイミング、実際の体験談などを通して、「面接辞退=失礼」という思い込みを、少しずつほぐしてきました。
誠意を込めて、相手を思いやって伝えれば、どんな辞退も「社会人としての一歩」に変わります。
一通のメールや一本の電話が、あなた自身の印象を決める場面も少なくありません。
でも、それは同時に、あなたの「気づかいや誠実さ」が伝わるチャンスでもあるのです。
これから先も、たくさんの選択に出会うと思います。
そのたびに「相手のことも考えて、丁寧に行動する」――そんな姿勢があれば、どんな選択も、あなたらしい前向きな一歩になります。
面接を辞退するのは、逃げることではありません。
きちんと向き合い、丁寧に伝える。
それが、就活という旅路の中での、ひとつの「立派な決断」なのです。